ETC

アリ社会

この4~9月の売り上げ低迷は、消費税UPが影響しているのかも知れない。

種々の統計では、4月までの駆け込み需要で売り上げが膨らんだが、その影響と初夏から秋口の天候不順で売り上げが低迷してるとの分析をよく見かける。

なるほどなぁ、、と感心し、当店の売り上げも世間並みなのだ、と安心もし納得する。

3月末までカードで買った代金の支払いが5月に来る影響で、5月までは景気が悪い。6月になればボーナスが入るから、そこまでの辛抱だ、と頑張ってみたが見入りは予想に反し多くない。そこに天候不順だ。

そんな、こんなで景気は悪い。売れない。理由は他にも有るだろうが、概ね本筋では合っている。

それだけだろうか?どーも他の要因がありそーだ。

第3のビールが低迷している中、プレミアムビールが、予想を超えて順調に販売を伸ばしてるらしい。

中国の食品問題がクローズUPされたり、偽装米が問題になったり、世間は、どうも本物志向に変化しているように見受けられる。

この変化が今の売り上げ減少の底辺に流れている気がする。

当然、本物は高い。近づけるために様々な工夫をし、コストダウンに血道を上げる。行き着く先は偽装だ。このような図式は現在の風潮では受け付けられなくなってるのかもしれない。

生産業者もそうなら、もっと安くを要求した、販売業者も同じ要因で、徹底した人件費削減を行い、在庫も減らす工夫を第一に掲げる。

当然、仕入れは安くなければならない。

手間を省き、安い商品を仕入れ、その場限りの販売方法を取った。

この構図が、どうもおかしくなってきている。

上がれば下がり、下がれば上がる。景気の本質だ。

食うに困った終戦直後から、飽食の時代に時間は掛からなかった。

空襲で都会は焼け野原になり、物不足は極限にまで達した。

幸い、田舎には食料があり、人も多く確保されていた。闇やに代表される買出しは、都会の空腹を満たす要因だった。

ここに目を付けた政府は、都会の復興を田舎の資材、人手に頼る方式を確保し、大々的に実行した。闇屋の親方に政府がなった。

復員兵が持っている技術を工場で実現し、世界に通用する製品を作り出し、メイドインジャパンで席巻する。

当たり前のことだが、世界を相手に戦争するだけの技術力が当時の日本には有った。

自動車のホンダに見られるように、一介の飛行機整備士が世界的な自動車産業の雄になり得た時代だ。

高度経済成長の本質は、この2点に集約されると言っても過言ではない。

今、その終焉を迎え、新しい時代に移行する。

流通、生産、管理システムの大きな変革期に有ると理解すれば、良い方向が見出せる。

基本は情報だ。

トヨタの看板方式に見られる、情報を駆使した生産管理、販売方式は一時代を築いた。

商品の質を落とさず、無駄を省き、お客様の要望に答えることが看板方式の基本で、中核をなすのは情報だ。

アリ社会は、一つのコロニーで一匹の動物と見れば理解できる。そのような理論を昔読んだ記憶がある。

女王アリ、働きアリ全てが一つの方向性を保ち、生命を維持している。

一匹だけでは生きていけないそうだ。

トヨタ一社で情報を基幹に組み立てた看板方式は、アリの社会に似てるのかも知れない。

我々酒販店も、小さなアリなのかもしれない。

このままの状態では、生き延びることは不可能だと思われる。一匹で生きていけないアリのように。

生き残るための見本は有る。

情報で絆を持ち、それぞれが個性ある店を作る。全体で一つの方向に進む。トヨタの看板方式のようなシステムを持ち、アリ社会のように全体で個々を守る方式があれば、残る可能性は無限大だ。

この方式は、ボランタリーチェーンのようなイメージではない。

個々のお店の繁栄があって、始めて成り立つシステムなのだ。

もし、小さくても完成すれば、流通で次世代システムとして日本中を席巻するかも知れない。

安心を求め、親切丁寧を期待する社会が現出した今、答えることが出来る地域酒販店に最大のチャンスが来ている。